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「いわて高校魅力化」研修会

◆「高校魅力化」の視点

岩手県教育委員会では、令和4年度より全県立高校を対象として実施している「高校魅力化」において、取組の視点の一つに「生徒にとっての魅力化」を掲げており、これは、「多様な教育資源・フィールドを活用した魅力ある教育活動をとおして、生徒が資質・能力を高めながら、豊かに成長していくこと」を目指しています。

◆「生徒の学び」「教員・関係者の学び」

令和5年度は、その視点に基づいた取組として「いわて高校魅力化」研修会を実施することとし、県内6地区において、「生徒の学び」の場や「教員・関係者の学び」の場を設け、各地区の拠点校を会場として実施します。

◆研修会の目的

生徒または教員・関係者が参集し、探究活動等の優良事例や知見の共有を図り、対話や協働をとおして学びを深めることにより、生徒の資質・能力及び教員・関係者の実践力の向上を目指すものです。

◆第1回「いわて高校魅力化」研修会

第1回研修会を釜石・遠野・宮古地区において、宮古水産高校を拠点校とし、開催しました。

◆参加対象校(課程別・校舎別)

釜石(全日制・定時制)、釜石商工、大槌、遠野、遠野緑峰、山田、宮古(全日制・定時制・通信制)、宮古北、宮古商工(商業校舎・工業校舎)、宮古水産、岩泉

◆研修の実践

研修会テーマを「教科横断の視点で授業をデザインしてみよう」とし、研修の題材として拠点校・宮古水産高校の数学科および家庭科教諭による協働授業を見学しました。

<データ分析(数学)と栄養素(家庭)の横断>

◆ドレッシングのエネルギーと食塩相当量に関係性はあるのかな?

<エネルギーと食塩相当量について散布図を作成します>
<調理実習グループに分かれて作業を進めます>

◆作業を終えた時点で、関係性について考えを共有します。

<挙手により自分の考えを表明します>

◆どのような関係性があるか、対話が始まります。

<横軸エネルギー、縦軸食塩相当量の散布図>
<自分の考えを披露しあう>
<各グループの議論が白熱>
<先生も補足し、読み取りを進めます>

◆10日前の調理実習で、ドレッシングを味覚により分類しています。

<21種類のドレッシングを味わい、分類しました>
<各班がユニークな分類をしています>

◆味覚による分類と散布図の分布を比較してみよう

<味覚による分類は散布図と合致しているかな?>
<各班の考えを全体で共有します>

◆散布図の分布について、その根拠を食物科の知識や経験を使って理由付けしてみよう

<出された意見を、先生方が丁寧に拾いあげます>
<授業の後半は、栄養の視点から考察を進めます>

◆生徒の感想
宮古水産高校の先生方が協働して教科横断の授業をつくりました。この授業を受けた生徒も前向きな感想を寄せていました。
・数学の知識や考えが、食物科の勉強につながっていることが新鮮だった。
・家庭科の活動につながるのなら、数学の授業も楽しいと思える。
・他の人の意見から、自分自身の新しい発見があったので、これからもこのような授業を受けたい。

◆授業後の勉強会
授業後の勉強会では、参加者全員で教科横断が必要とされる時代的・社会的背景を理解し、授業デザインの実践を行いました。

<教科横断が要請される時代的・社会的背景に触れました>
<高校魅力化プロデューサーによる共有>
<集中する参加者 教員ばかりではなく地域連携コーディネーターの参加もいただきました>
<対話をとおして考察を深めます>
<ペアで共有した意見を披露>
<いよいよ、教科横断授業をデザイン>
<白熱していく対話>
<授業創りに夢中になる先生方>
<アイデアを共有>
<商業×日本史、地理×学校行事、斬新なアイデア続出>
<参加者全員でアイデアを共有>
<国語×数学 集合と命題で俳句は作れるか!?>
<物理×英語 防災の視点から物理と英語を活用>

◆参加者の感想・意見
参加者から様々な感想、意見をいただきました。今後実施する予定の第2回以降の研修会に生かしていきたいと思います。
・研究授業が大変面白く、勉強になりました。教科横断の意義を感じることができました。参考にしたいです。
多くの知識を学ぶことができました。今後、活用していきたいです。
現段階は、実践例がほしい。持ち帰りできるものを、今後お願いします。
・自治体も巻き込んでのコンソーシアム設立が望ましいと思っています。自治体と円滑に進んでいる学校の成功事例等、コンソーシアム設立のノウハウも含めて学ぶ機会があればありがたいです。

◆生徒が学びを楽しいと感じる、先生方が楽しく授業する
県教育委員会では、生徒が学びを楽しいと感じられるように、そのためには、先生方が楽しく授業をできるように、そのような環境を創っていきたいと考えています。
生徒も教員・関係者も楽しく学び、魅力ある学校を創っていきましょう。


タイトルの写真は「©岩手県観光協会」です。